3回目の続きです。

 日本の宝石市場で百貨店の売上は、恐らく市場の12−14%程度を占めると思いますが、コロナ以降、海外ブランドがのさばっていますのでもう少し高いかもしれません。一応は塊として一つの市場と見ていいと思います。

 いま百貨店は、小売業として株式欄にも載っていますし、小売り統計にも百貨店売上が使われています。これはあくまで私見ですが、わたしはいまの百貨店は小売ではない、むしろ不動産業として扱われるべきだと思っています。すくなくとも、宝石売り場に関して言えば、間違い無く、不動産業、つまり場所貸し業でしかないと信じています。どのお店でもほぼ同じですが、いまお店の店頭にれいれいしく並んでいるジュエリーのなかで、お店の在庫であるのは、ほぼゼロだと思います。それを売っている、店員に見える人も、ほとんどは外部の人間で、百貨店の社員である人は居ないと思います。ほとんどは問屋と呼ばれる企業のもので、お店にもよりますが、少ないところで数社、大きなお店になると十社以上の問屋が百貨店の宝石売り場を構成して居ます。では、百貨店の人間は何をしているか、外商というか日本独自の販売組織がありますから、小売店よりは、少しは販売努力をしている、それ以外は良く言えば全体を統括しているとでも言うのでしょうか、まあ、ほとんど役に立つことはない。これは百貨店の企業としての人事制度の問題点だと思うのですが、特定の事にプロになると出世しないらしい、少なくとも宝石のプロだと思えるように人間は、少しはいるのですが、いつのまにかどこかに居なくなる。旧態依然の問屋に頼りきりで、百貨店として、ジュエリーのプロを育てようという気概や計画は皆無です。小売店よりは少しはましだと思うのですが、ここから新しいジュエリーのプロが生まれてくるとは思えません。プロ不在、それが百貨店です。

 この現状から見て、シロート集団が宝石業界に隙間ありと思うのは、当たり前のこと、それが不況なはずの業界にドヤドヤと、やれブライダル専門店とか、テレビ販売だとか、買取り屋だとかが登場する理由ではないでしょうか。お客様の方も変化しています。特定の店に忠誠を誓うなどということは、期待できません。面白くなければどんどん離れて行きます。これを防止して、昔の繁栄を取りもどすことは、売り手の変化なしには出来ないと思うのですが、まあ、ほとんど期待できない。あと5年、10年で、私はもういませんが、ジュエリーを買うのは、スマホ片手にやる事という時代がこないことを願っています。

2024年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Ryo Yamaguchi