順番が逆になりませんかね????

 長い間、ジュエリーの小売に携わっていますと、よくこんなことを言われます。昨日、何とかなんとかのお店で、素晴らしいジャケットをみつけたのよ、これに合うジュエリー、なんかない??というお訊ねです。もちろん、売るのが商売ですから、此れ如何ですかと言うのは、いつもありますが、それをお客様が気にいるとは限らない。日本の女性の皆様、特に中年でしかるべき資産があり、お金に不自由されないクラスの女性がたは、衣服とかジュエリーとかの、ファッショングッズのお買い物に関しては、実にうるさいというか、目が肥えているというか、簡単には収まらないのは、ご存知の通りです。

 まあ、それを何とかごまかしつつ、生きてきたわけですが、こうしたことが起きて、何も気に入った物が無く、お客さまがお帰りになった後でつくづく思うのですが、どうしてもコレが逆にならないのだろうか、と。

 つまりですね、お洋服は、恐らく価格でいえば十万円台でしょう、もっと高いもの買うのよとおっしゃる方は、まあ、この話は忘れて下さい。それほどの洋服に合うジュエリーとなると、百万円台か、それには近いかもしれない。少なくとも、ジュエリーのほうが安いといことは、先ず、ないでしょう。

 これが逆になりませんか、というのがわたしの望みなのです。つまりです、まずはみごとなジュエリーを見つけて買って、それには合う衣服を探す、そして買うというのが、みごとなコーディネートだと言える可能性が高いと思うのですが。

 この話を、さる有名な女性誌の編集者にしましたところ、こういわれました。山口さん、女はね、それほど論理的じゃないのよ、いいなと思ったらお財布が開いているのよ、良いなと思ったら、飛び付くの、おかげでわたしバツ二なのよと、とんでもない話になりました。第一、と彼女は言います、ワッと飛びつきたくなるジュエリーなんて、お店にあるの??? 見た事ないよ、お洋服なら、しょっちゅうあるけど、と。まあ、なんとも返す言葉もありませんが、本当にこの買う順番が逆になるジュエリーが増えませんかね???? だめかなー。