この花珠なる言葉が突然に真珠業界に再登場したのはそう古いことではない、ここ十年前後のことだと思います。その頃にはすでにうす巻きの当年物を脱色して染め上げた真珠がほとんどでしたから、いわゆる古い花珠の記憶を持った業界人は不思議に思ったはずです、そりゃなんじゃとね。以来、この言葉を用いた鑑別書が出回り、最近では数社の鑑別会社が入り乱れて紙を発行し、たんなるハナダマだけでなく、ナンチャラ・ハナダマ、アラアラ・ハナダマと形容詞が付いて、何が何だか分からんほどに入り乱れているそうですね。しかもこの十数年の間に、この言葉の定義なりその内容なりを検討する会議が業界で開かれたとは聞いていません。つまり言いたい者が勝手に言っているだけで、その内容に誰が責任を持つとか、多くの人が同意するとかということはない、だから私は花珠鑑別書とは私文書に過ぎないと言っているのですよ。こうした私文書が、あたかも公的な資格を備えた資料であるかの様に業界で使われ、顧客に渡されている、これは問題ではありませんか???