科学博物館の宝石展を見る

 科学博物館が真珠、ダイヤモンド、ヒスイ展に続いて宝石展なるものを開催、 NHKも取り上げたとかで、大いに混雑している。早速に駆けつけてみたが、案の定、楽しくない展示会だ。見る価値のあるのは、一階の5番目の部屋に展示されているアルビオンアートのコレクションだけ、まあ、ギメルさんの展示も良かったが、ヴァンクリーフはお粗末、どこかの売れ残りを並べているだけでした。二階にも展示があるとのこと、行ってみましたが、まあ、見ないほうがよろしい、涙が出るくらい悲惨です。

 まあ主催が科学博物館ですから、鉱物がいっぱい並んでいるのは当然としても、日本語で宝石といえば、石だけではなくジュエリーを思うのは普通のこと、見に来た人たち、特に女性にとっては石よりもジュエリーを見たかったのではと思います。それがどうもはっきりしない。

 すべての鉱物が宝石になるわけではない、美しいものだけが宝石なのですが、宝石だけでジュエリーになるわけではない、宝石イコールジュエリーではないのです。美しい宝石が、素晴らしいデザインと技術でジュエリーになるわけでして、全体の展示を見てもそこのつながりが全く感じられない。

 日本中の鉱物の博物館がいろいろな石を出していますし、そのこと自体は、科博としては当然の展示ですが、展示物の多くに宝石としての美しさを感じさせるものは少ない、特にアルビオンアートコレクションで使われている昔の宝石の凄みを見た後では、同じ名前で呼んでいいのかねと言いたくなります。

 これは宝石のなんたらこうたらに興味ない私の僻みかもしれませんが、まあ、見に行くなら、一番早く入ってダーッと5番の部屋に駆けつけて、それをじっくり見て、逆に入口の方に戻られることをお勧めします。まあ、お時間があれば行かれたらという程度の評価しかしませんね。